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いま政府が国会に提出しようとしている「地方分権一括法案」では、自治体が選択すれば、図書館・博物館などを首長部局に移し、観光などの一部にすることができるとされています。また全国の自治体で、小中学校の統廃合を議論しています。
教育行政の在り方が問われているいま、障害者を含めて誰もが持つ教育の権利、生涯学ぶ権利を実現する任務を持つ、地方自治体の政策を基本から学び合います。
講義
○講義1 13:30~15:20
学校統廃合と小中一貫教育、コミュニティ・スクール
~学校教育制度の基本から考える~
荒井 文昭 氏(あらい ふみあき 首都大学東京人文社会学部教授)
公立小中学校の統廃合が、小中一貫教育の導入とセットですすめられる自治体がでてきています。また、学校運営協議会(コミュニティ・スクール)設置が、2017年の法改定によって教育委員会に努力義務化されました。地域学校協働活動も推進されようとしています。本講義では、こうした近年の学校教育政策の動向を、学校教育制度の基本から考えます。
○講義2 16:05~18:25
公立図書館の基本原則と直面している現実的な課題
―民間委託、職員の非正規化、図書資料費の削減…
松岡 要 氏(まつおか かなめ 元日本図書館協会事務局長)
公立図書館は住民の読書、学習権を保障することを役割としておりますが、90年代後半以降政府の「地方分権」「教育改革」などの「構造改革」政策により、図書館事業、サービスの後退が余儀なくされています。70、80年代の多摩地域の図書館は全国的に先駆的なサービス、管理運営を展開しておりました。それをさらに進展させることが期待されていますが、昨今の「政策動向」により、後退、困難を極めています。それを打開するために、図書館をめぐる財政、職員制度、人事管理、委託、所管などの問題について、まとめ明らかにしたいと思います。
○講義3 9:15~11:35
公民館の基本的な役割と直面している課題
―地域で1人ひとりの主権者としての学びを実現するために
長澤 成次 氏(ながさわ せいじ 千葉大学名誉教授・社会教育原論)
2019年3月8日に閣議決定された「第9次地方分権一括法案」は、「地方分権・規制緩和」の名のもと地方教育行政法・社会教育法・図書館法・博物館法を「改正」し、公立社会教育施設の首長部局移管を可能にしようとするものであり、人権としての教育権・学習権を保障する憲法・教育基本法・社会教育法体系を根底から否定しようとするものである。「法案」の問題点とともに、地域・自治体における公民館・社会教育の課題を探る。
○実践報告 11:50~12:30
私たちは、民営化した図書館を直営に戻した
~茨城県守谷市の経験から学ぶ~
2016年から民間委託された図書館を直営に戻した―市民たちの願いと行政の転換とは…
運動に携わった市民の方から報告していただきます。
○講義4 13:30~15:30
地方自治の本質と教育行政のあり方
~「地方分権一括法案」の成り立ちと自治体の選択~
講師:池上 洋通 氏(いけがみ ひろみち 「議員の学校」学校長・自治体問題所主任研究員)
いま政府が国会に出そうとしている「地方分権一括法案」は、地方自治の本質を揺るがしかねない課題をはらんでいます。「人口減少」「高齢化の進展」「財政困難」などを理由とした“教育改革”は、私たちをどこに導くのでしょうか。国連が2015年に提唱した「持続可能な発展―2030アジェンダ」にも触れながら、世界の流れと比較しつつ、学び合います。
日 程 2019年5月14 日(火)~15 日(水)都立多摩図書館セミナールーム(JR中央線・武蔵野線 西国分寺駅より徒歩7分)
東京-西国分寺 快速電車で40分、中央特快で35分
時 間 1日目13時~ 18時25分 2日目9時15分~17時10分
受講料 28,000円 再受講26,000円/町村議員25,000円/多摩住民自治研究所会員23,000円/新規多摩研入会の方22,000円/被災県(岩手県・宮城県・福島県)の方は10,000円
定 員 80名
宿 泊 宿泊は、各自でお手配ください。
(お申込みをいただいた方には、立川駅周辺ホテル等案内を送付いたします。)
主催 NPO法人多摩住民自治研究所
〒191-0016日野市神明3-10-5エスプリ日野103
Tel:042-586-7651 Fax:042-514-8096
メール tamajitiken1972@space.ocn.ne.jp
以下のリンク先のチラシをダウンロードしてお申込みください。
※チラシの中で、講師の長澤 成次氏の所属学会につきまして、
「社会教育学会理事長」と記載されておりましたが、正しくは
「日本社会教育学会会長」の誤りでした。
また、実践報告の自治体につきまして
「埼玉県守谷市」と記載されておりましたが、正しくは
「茨城県守谷市」の誤りでした。
お詫びを申し上げますと共に、訂正版に更新させていただきました。